こんにちは、獣医師の山口です。
先日、大阪で開催された獣医がん学会に行ってきました。
今回のテーマは「肥満細胞腫」でした。
肥満細胞腫とは犬の皮膚腫瘍では1番多く、猫の皮膚腫瘍でも2番目に多い腫瘍です。また、多くはないですが、内臓(肝臓、脾臓、消化管など)にできるタイプの物もあります。
特徴的な細胞の見え方から、典型的な肥満細胞腫に関しては比較的簡単に診断が可能です(腫瘍に針を刺して、採れた細胞を顕微鏡で見ます)。
今回は、肥満細胞腫という一つの腫瘍に対して最新の知見、外科の方法、抗がん剤の使い方などかなり掘り下げて勉強してきました。
数年前には肥満細胞腫がどのくらい悪いか(悪性度)については、細胞の検査だけではできないと言われていましたが、今回の講演では細胞の検査だけでもある程度悪性の具合がわかるということでした。
手術で切除する際、どの程度悪いか事前にわかっていれば切除する範囲も今後変わってくる可能性があります(悪ければ大きく、良ければ小さく)。
皮膚にできものが出来た場合は悪い腫瘍の可能性がありますので、様子を見ずに是非一度連れてきてください。何でもないと思っていた皮膚の出来物が、実は肥満細胞腫だったと言うことが時々ありますので。
学会後は、大学時代の友人と食事に行きました。大阪名物の串カツやたこ焼きなど食べました。大阪は美味しいものがたくさんありますね。今回食べれなかったものが沢山あるのでまた今度行った時はリベンジしたいなと思いました。
↑細胞質に多くの顆粒を持つ肥満細胞
