2018年 02月 20日
腫瘍学セミナー |
先日、鳥取大学の岡本芳晴先生をお招きし「民間病院で明日から使えるがん診療」というセミナーを開いていただきました。
通常の腫瘍の治療は外科手術、放射線治療、化学療法がメインとなる場合が多いのですが、今回は第四の治療と言われるがんワクチン、高濃度ビタミンC療法、温熱療法など、最近の知見に基づいた新たな治療をご紹介いただきました。
もっとも興味深かったのが新しい薬であるオプシーボというものです。本来体内でできた異物はT細胞という白血球の仲間が退治できるのですが、がん細胞はPD-1/PD-L1という受容体を経由して、「がん細胞への攻撃を止めろ!」という信号を発信します。この結果、T細胞はがん細胞への攻撃ができなくなり、がんの増殖がとまらなくなってしまうことがわかっています。
オプシーボという薬は、この受容体を阻害するので、T細胞が平常通りがん細胞を異物として認識して退治できるようになります。
動物医療のがん治療ではこれまで通常の化学療法剤、分子標的薬による治療が中心でしたが、これから何年かすると、オプシーボのようながん免疫治療ができる薬が動物でも出てくる可能性があります。新しい治療が進み、さらに多くの動物が救われることを願っています。
岡本先生、遠路よりお越しくださり本当にありがとうございました。
話は変わりますが、ダイゴペットクリニックでは知立地域ねこの会さんの協力の下、月に1回、日曜日の午後に譲渡会を開催しています。
先日も日曜日に開催され、豊田市内より多数の方が見学に来られました。
3月は18日の午後に開催予定です。たくさんの猫ちゃんが新しい飼い主さんを待っています。
皆様是非ご協力下されば幸いです。ご来院、お待ちしております。
by info-dpc
| 2018-02-20 17:46
| 動物病院